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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

にわとりの解剖

●むこう向きのおっとせい その643

先週の土曜日のジュニアサイエンスで鶏の解剖をした。

羽はむしってあるけれど、
頭も内臓も全てついている。

まずは人体模型を使って
人間の体の臓器について復習。

鶏にもほぼ同じような臓器があるので、
鶏と比較しながら説明する。

その後で解剖の要領について説明。

そして実習開始。


まずは皮を切って、食道と気管を見る。


胸肉を切る。

大胸筋(胸肉)と小胸筋(ささみ)を交互に引っ張って
翼が動く様子を見る。

羽を動かすのに、
これだけの筋肉がいるというのを実感する。


内臓の形、色、位置、働きを確認。


心臓を取り出し、下の方を輪切りにする。

左心室が大きいので、左心室の穴が開いている。

そこにスポイトで水を入れると
大動脈から水があふれだす。

全身に血液を送り出していることを確認する。


前胃と砂のうを取りだして切ってみる。

食べたものを確認した後、
砂のうの膜をはがすと、筋肉が出てくる。
人間の胃の筋肉と同じように見える。


小腸にある腸間膜には血管が走り、
栄養分を肝臓に送っていることを説明する。


肺を取り出す。

気管とつながって出てきた肺に
ストローで息を吹き込んでみる。
肺が少し膨らむ。


手羽を取り出し皮をはぐ。

筋肉と骨をつなぐ腱が見える。

筋肉を引っ張ると、骨が動く。


脚の骨を切ると筋が出てくる。

それを引っ張ると、足の指が動く。


ここまでやってくると、もう時間がオーバーしている。

何しろ80分の授業だから、
ここまでが限界。


子どもたちは非常に熱心に取り組んでいた。


この間国語の問題文に、小林秀雄の文があった。

言葉は目の邪魔になるというもので、

奇麗な花だと思って近づいてみると
菫の花だと分かる。

なんだ菫の花かと思った瞬間に、
その人は花の形も色も見るのをやめてしまい、
本来あるものの美しさを
見えなくしてしまうという内容だった。

「そのことを知っているよ」と言葉に置き換えた瞬間に、
そのことに対する興味をなくしてしまうということだろう。


今回解剖した子どもたちは
実際に鶏の臓器を見ることで、
言葉として知っているだけではない、
生きているものへの興味、
関心を深めたのではないだろうか。

そんな時間になっていたらいいのになと思う。



ではまた。

うれしい再会だった

●むこう向きのおっとせい その642

この間のブログで初期実験学校生だった人が
訪ねてきてくれたと書いた。

実験学校は現在の形になる前に
別の形で実施されていた。

週休2日制になる前のことで、
集めた子どもたちを地元の小学校に通わせ、
学校から帰ってきた子どもたちを、
星くずの村で教育しようというのがヒゲ先生の構想だった。

これは地元で賛否両論を巻き起こし、
テレビでも放映された。

結局この形での実施は断念し、
土曜日に子どもたちを集めて、寝泊まりさせ、
日曜日にかけて
国語や算数、理科実験、自然体験を
星くずの村でさせるという形になった。

実施したのは1年だけだったように記憶している。

それから8年ほどして、学校が週休2日制になったのを機に、
今の実験学校が始まった。


あの時の生徒だった人が訪ねてくれたのだ。

また会う時が来るなんて想像もしていなかった。

顔を見て、一気に時が巻き戻り、
あの頃が蘇った。

彼は地元のオリーブを扱う有名な会社で、
パソコン関連の仕事を一手に引き受けておられる。

その時の仲間の消息はあまり分からないらしいが、
1人はお医者さんになっておられるとのことだった。

ヒゲ先生が生きていたら、
彼の成長した姿を見て、
涙を流して喜んだだろうことは想像に難くない。


星くずの村での体験を心に留めてくれている人が、
ここにもいた。

こんな人たちがいることを忘れずに、
信頼を裏切ることなく、
星くずの村が
最高の場所であり続けるように、
残りの時間を過ごしていこうと思う。

また彼と会える時を楽しみにしておこう。

ちなみに彼が村を訪ねてくれたきっかけの一つが、
このブログを読んだことだったそうだ。

大したことは書いてないけれど、
続けて書いてきてよかったと思った。


ではまた。

10月 実験学校 「ロケットと大気圧」

むこう向きのおっとせい その641

昨日一昨日と実験学校を実施した。

9月実験学校が台風で延期になったので
この日になった。

テーマは
「ロケットと大気圧」

今度こそと張り切っていたら、
天気予報では雨と風が強いとなっている。

まるで狙われたように
天気には恵まれない。

祈るような気持ちで島に向かった。

初日は雨。

ロケット作成、大気圧の実験とこなし、
天体観測は出来ないので、
望遠鏡の説明をした後、星座ビンゴをやった。
これはかなり盛り上がった。

2日目、朝は雨。

フィッシングは中止。

しかし思ったより風は強くない。

フィッシングを変更して、大気圧の実験をした。

その間に天気は回復。

ロケット打ち上げが可能になった。

発射場所まで移動。

子どもたちの期待は高まっていく。

風はやはりあったが、それほどでもない。

いよいよ打ち上げ開始。

最初にデモンストレーションで、
先生の作ったロケットを打ち上げた。

大きめのエンジンを積んだので、
無茶苦茶飛ぶ。

発射されたロケットは雲の中に消えてしまった。

子どもたちはとても驚いていた。

そして自分たちの出番だ。

1人1人発射のボタンを押していく。

ロケットは150メートル以上は優に飛ぶ。
ロケットはちゃんと飛ぶのか、
また一生懸命に作ったロケットが、
うまく自分のところへ帰ってくるのか、
子どもたちの緊張が伝わってくる。

風が強いので、海の方や、民家の方に飛んで行って、
帰ってくるロケットの数は少ないかもと、
打ち上げる前は思っていたし、
子どもたちにもそう伝えていた。

ところが予想をいい方に裏切って、
なんとロケットは全機子どもたちの手元に帰ってきた。

パラシュートの代わりに、
ストリーマーというのに替えたのが、
功を奏したようだ。

子どもたちは大喜びだった。

行く前は、ロケット打ち上げが出来るのか、
随分と気を揉んだが、結果は大成功だった。

ほんとによかった。

大気圧の実験も上手くいったし、
大満足の合宿となった。


そして嬉しいことがもう一つあった。

38年前の初期の実験学校の生徒さんだった人が
村を訪ねてきてくれたのだ。

最初誰だかよくわからなかったけれど、
途中から完全に思い出した。

あの時の面影が大きく残っていた。

これはかなり驚いたし、感動した。


文が長くなったので、
初期の実験学校については、
また次のブログで書くとしよう。


懐かしい人が訪ねてくれることが続いている。

ほんとに嬉しいことだ。


ではまた。


(前回、前々回とブログの回数を間違えていました。
今回のが正しい回数です)

新しい出会い

●むこう向きのおっとせい その638

昨日小豆島と神戸を往来するフェリー会社の社長さんと、
大手の旅行会社の顧問の方と昼食をとった。

妹の娘婿が、顧問の方とつながりがあり、
小豆島の話になった時に、
我々とフェリー会社の社長さんを引き合わせたら、
何かできるのではないかということで、
場を設定してくれたのだ。

大きな会社の社長さんや役員の方と接触する機会は、
今までになかったので、
どんなことになるのだろうと、
期待半分、戸惑い半分で約束の場所に行った。

お会いするとお二人とも大変に気さくで、
楽しく話はできた。

社長さんのフェリー会社では、10月から新しい船が就航する。

今までのフェリーは、もともとトラック輸送のものに、
客席を継ぎ足したようなものだったので、
観光を考えた場合は、ちょっと物足りない感じだった。

それが今度の新造船は、観光客の満足感を深めることを
十分に考えたもので、
今までのフェリーよりかなり大きく、
内装も充実している。

これはかなり人気が出そうだ。

社長さんの話にも力が籠る。


我々は実験学校の案内をお見せし、
学園の今までやってきたことを話した。

子どもたちの将来にわたって、
心に残ることを長年続けている、
行政が出来ないことをやっている、
という具合に捉えて頂いたようだ。


今回の出会いで何か変化があるのかは分からないし、
自分たちがやってきたことを変えるつもりも全くないけれど、
お互いに協力できる場があれば、
一緒に出来ればいいなと思った。


何かと刺激を受けるひと時だった。



ではまた。

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