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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

素敵な刺激

森山's Honey Bucket 162


 高校時代の仲間の一人T君が勤務医を卒業し、東京で開業することになった。

先の日曜日、彼を壮行するために在阪の友人が集まった。(会場も高校時代の友人が経営する天ぷら屋だ)

 
 大阪市内の総合病院で婦人科の医師としてスタートしたTだが、

途中アメリカのハーバード大学で武者修行を積み、

この5年ほどは慶応大学に医師として勤務していた。

診察のかたわら、6人の部下を抱えるチームのリーダーとして、

専門分野の卵巣癌の治療にかかわる論文を幾つも発表し、

5年の間に治療法に関わる特許を2件も取得したらしく、

学会内でもそこそこ名の知られた存在だったようだ。

慶応医学部内で最も多額の予算を研究費として支給されていた…というのだから驚きだ。


 
 高校1年で同級だった僕たちは、Tにニックネームを献上した。

「マボヤ」だ。

配布された生物資料集中の海生生物の「マボヤ」と彼の顔が似ていたからだ。


madoya.jpg


今も彼はそれに似ていると思うが、考えてみれば随分失礼なあだ名だ。


プチやんちゃであった彼は、よく周りを愉快にするいたずらもした。

友人Fが鞄を置いてその場を離れた隙に、

パン屋の店先の花壇にあるレンガを3つばかり外して、友人Fの鞄に入れた。

鞄がレンガで重くなったことも気づかずにいるF。笑いをこらえて駅まで歩いた日々が懐かしい。


近鉄百貨店の地下にあったカレー屋では、

友人Nが席を立った隙に、Nのカレーライスにコーヒー用のフレッシュミルクを容器1杯全部かけてしまい、

Nが大いに嘆いていた。


要するにTは特段秀才を感じさせる友人ではなく、マボヤ顔のいたずら高校生だった。



 そんなTが壮行会で、大阪の公立大医学部出身の自分が、

どうして慶応医学部出身の超秀才医師たちのトップとして、チームを引っ張ることができたのか…

ということを話し始めた。いつものように飾りのない、嫌味のない語り口だ。


 
「リスクのある研究はすべて自分の責任のもとで部下を指導し、信頼して取り組ませた。

そしてそこから得られた業績はすべて部下の手柄とした。取得した特許も代表者としては部下の名前を記した。

その一方で上との厳しい折衝は全て自分がやり、部下を矢面に立たせることは決してしなかった。

部下に手柄をあげさせること、彼らを守りぬくこと、そして予算をぶんどってくること、

それがこの5年間の俺の役回りだった。

そうでもなければ俺のような者が自らの存在を主張することなどできない。」


またこんなふうにも続けた。


「俺の息子のうちの一人は障害をもっている。我々夫婦が息子よりはやく逝ったとき、

俺はあいつに何を残してやれるのか…。身も蓋もないけれどやっぱりお金なんやね…

勤務医っていうのは周りが思うほど儲からんわけ、

俺は残りの10年かな15年かな、とにかく息子のために儲けるんや!これからは商売人になるからな!」




 
 あまりにも飾らなさすぎる友人の話しであるため、

お金儲けのためではなく、純然と「医者」という職業にあごがれている人には「不適切?」な引用だったかもしれない。

 しかし、僕は高校の同級生に彼がいてくれたこと、この壮行会に出席できたこと、が嬉しくてたまらない。

大人になればなるほど人生における「刺激」は少なくなってくる。

 が、この日は「素敵な刺激」をいっぱいもらった。

やはり友人は宝だ。


 中3生のみなさん!まもなく高校入試だね。

なんとかそれぞれの関門を突破して、素敵な友人と巡りあって欲しい。


 


 
 









 

















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