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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

勉棒

森山’s Honey Bucket 177

 
 卒業生に「先生の勉棒は痛かった…」と言われることがある。


「勉棒」とは、「もっとしかっリ強せよ、と励ます」のことで、

剣道の竹刀をバラバラにした竹で、お尻をピシャッと打ち付ける罰則(言い逃れの出来ないまさしく「体罰」)である。

 たいてい男子連中のお尻が標的となるが、女子が血祭りに上がることもゼロではなかった。



 「人間にはヒゲ、獣には勉棒!」というヒゲ先生のセリフに聞き覚えのある先輩諸氏もおられるのではなかろうか?

 正当な理由なく遅刻する。宿題を忘れる。授業中に説明を聞かず私語をする。不注意な行動で実験器具を破損する。友だちともめる。他人の嫌がることを言ったりしたりする。

これらの失敗を一度ならず二度・三度としでかしてしまったとき、

「話を聞けば理解できる…」という人間の範疇を越え、「もはや君は獣の域だ!」と

「勉の棒」を繰り出すわけだ。



「先生、かんにん。も~せーへんから。」とか

「二度と宿題忘れヘンから~。」とか

「次からちゃんと話聞くから!」とか


 処刑宣告を受けた者たちは口々に許しを乞おうとジタバタするが、
 

「アカン!手遅れ!往生際が悪いぞ、神妙にせよ!!」とばかり勉棒を繰り出す。


 勉棒は短い時間“ヒュー”と空気を切る音を立てて、次の瞬間ピシャ!とお尻に炸裂する。

 勉棒を食らうと、カチカチ山のタヌキのように、お尻を押さえてピョンピョン跳ねまわったり、

 思わず、目から「水」が滴り落ちたり…

 あの痛さは、小中と勉棒を受け続けた僕自身もよ~く知っている。


 
 ふた昔程前は、実に勉棒をよくしていた…

 「先生の勉棒は…」とのたまう卒業生諸氏もこの頃の方が多いはずだ。



 近年滅多にすることのなかった勉棒、それを昨日小5の男子2人に見舞った。

 しかし、今回は「勉棒する」と決断するまでにかなり思考を巡らせた。


 「はたして今勉棒をすることが、この子らを良い方向に導くことになるか?」

 「これに代わる別の特効薬はほんとうに無いか?」

 「今回はこれに優るメッセージはない。」

 「きっとこの子らは良くなるに違いない…」


  ウ~ン
 


 「ようし、信念に従い勉棒をしよう。しかもとびきり痛いやつを…」 そう決めた。



 勉棒後、ふたりはどちらも涙を見せず我慢していた。

 涙を見せないのはクラスメイトに対するかれらのプライドだろう。



 時間が経つこと40分間、授業の合間の休憩時間に彼ら一人ずつを手招きして呼び

 「めっちゃ痛かったやろ?」と言葉をかけてみた。


 「うん。」とうなづく目にはみるみる涙が溢れてきた。




 彼らにとって、今日の勉棒が「痛かった」だけの思い出にならないように、

 この涙が無駄なものにならないように、

 この子らをしっかり応援しなくては…と、自分自身に確認した。

 













 




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