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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

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●むこう向きのおっとせい その253

夏合宿前、ヒゲ先生の原点を確かめたくなって、琵琶湖に行った。


小豆島に「星くずの村」を建設する前に合宿をしていたのが琵琶湖だった。


最初はキャンプ場でキャンプをしていたらしいが、近くに住む「中村さん」という方が、
自宅を合宿所として開放くださり、面倒を見ていただくようになったらしい。


中村家はその後、民宿として営業されたとヒゲ先生からは聞いていた。


その中村家を訪ねてみようと思ったのだ。



琵琶湖での合宿は、もう随分前のことだが、
その記憶は、自分の中に今も鮮烈に残っている。



中村家の庭を出るとすぐ前に琵琶湖が広がっていた。

五右衛門風呂があった。

家の横には小さい池と川があった。

蚊帳が吊られていて、時にはホタルがその中で光っていた。

一番インパクトがあったのは近くのお墓。土葬だった。


その墓場でする肝試しは強烈に怖かった。


墓場の奥に死者を寝かせる石の台があった。

そこに死者を寝かせて、読経してから埋めるのだ。


肝試しは、その石の台に、紙と鉛筆が置いてあって、名前を書いて帰ってくるというものだった。


肝試し前に、先輩から怖い話を聞かされてから行くものだから、恐怖は倍増である。


ヒゲ先生は「ここにこうして死体を寝かせる」と自分が寝て見せた。


「よう寝るな」と子ども心にも思ったものだ。



そんな記憶に残る景色を頼りに、中村家探索の小旅行に出た。



まずは場所が全く分からない。


「江若鉄道」と「青柳浜」というのが僅かな手がかりだった。


江若鉄道は、今はもうない。湖西線に代わっている。


調べてみると「青柳浜」はあった。


湖西線では、最寄りの駅は「志賀」となっていたので、まずは志賀駅で降りた。


青柳浜キャンプ場を目指して、強い日差しの中を歩く。


青柳浜が近づいてきた時、「中村」と書いた表札を発見。


しかし民宿ぽくはない。


誰かに聞いてみようと、キャンプ場に入ろうとすると、
管理されているおじさんが胡散臭そうな顔をして、私に近づいてきた。


何しろキャンプ場に入るというのに、全く普通の格好をしているのだからそれも仕方ないのだが。


その顔つきにめげないように

「この辺りに中村さんという方をご存知ないですか。民宿をされていると思うのですが。
まぁ、かなり昔のことなので今はどうされているかわかりませんが。」と聞いてみた。


「中村?民宿?」「そう言えばこの向こうにあったと思うが、今は更地になってるよ。」


聞いた場所は自分が既に歩いてきたところだった。


そうか、やはりもうないのか。がっくりである。


何しろ時が流れすぎている。


でも折角来たのだから、もうちょっと歩いてみようと足を進めることにした。


歩いてきた道を思い返すと、記憶に残っている墓らしいものがなかったことに気づいた。


しばらく歩くと民家があった。


庭に人がいたので、「この辺りにお墓はありませんか?」と尋ねてみた。


そうするとその人は、「ここから10分ほどの所にありますよ。」と教えてくれた。


青柳浜からはちょっと離れているので、まぁ違うやろうなと思いつつ、
お墓目指して歩いた。


しばらく行くとお墓に行き当たった。


昼下がり、誰もいない。蝉の声だけが響いている。


入った所に石の台はない。


やはりここではないのかと思いつつ角を曲がった私の目に、
なんと石の台が飛び込んできた。




かなり長くなったので、続きは次回に。



ではまた。

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