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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

おっしゃることはたいへん理解できるのですが…

森山's Honey Bucket 132

 学園が定期的に実施している全国模試の中1国語の読解問題に、次のような文章が取り上げられていた。
中1に読み取られせるにはいささか高度な気もするが、自分にはなかなか意味のある内容だったので、何度も読みなおすことになった。(前回に引き続き、他の文章の引用です。)

 前略(本文前半5分の3は略)

 いくら経験を重ねても仕事のやり方がなかなか上達しない人物がいる。
一方、経験を糧に仕事のやり方を改善していく人物がいる。
どこが違うのか。
最大の要因は、経験に対して心が開かれているかどうかではないか。

 経験に対して開放的になれるかどうかは、感情ではなく認知で反応できるかということや、自分を変えるつもりがあるかどうかによって決まってくる。

 失敗して落ち込む人と、失敗を活かして伸びる人。
その違いは、イヤなこと思い通りにならない現実に直面したとき、感情的に反応するか認知的に反応するかにある。

「なんでダメなんだ、あんなに頑張ったのに、どうして」
「どうしてこんな目にあわないといけないの」
「こんなミスをするなんて、もうおしまいだ」
「ガックリくるなあ、今回はうまくいくと思ってたのに」

 このような言葉を発しがちな人は、感情的に反応するタイプである。
感情的に反応すると、気分が落ち込み、モチベーションが低下する。
思い出すとますます気分が下向きになるため、あまり考えないようになる。

 そうした、切り離しができずに反芻していると、記憶と感情の悪循環に陥る。
イヤなことを思い出すと気分が落ち込む。
気分が落ち込んでいるときに過去を振り返るとイヤなことばかり思い出す。
そうした気分一致効果による悪循環に陥ると、うつになる危険がある。
そこで、自己防衛のメカニズムが働き、失敗経験、挫折経験から目を背けることになる。

 いずれにしても、感情的に反応するタイプは、感情に溺れがちなため、現実から目を背けてしまう。
ゆえに、経験から学ぶことができない。

 一方、イヤなことがあったり思い通りにならないことがあったとき、認知的に反応するタイプは、今後どうすればうまくいくかに焦点づけた思考ができる。
無意味な感情反応は示さない。

「あんなに頑張ったのに、どうして」などといつまでも残念がっても仕方がない。
「どうしてこんな目に遭わないといけないの」などと嘆いても、現実は何も変わらない。
「もうおしまいだ」などという根拠はない、悲観的な気分に浸ってもしようがない。
「うまくいくとおもったのに」などと言っても、うまくいかなかったのだから、その事実を受け入れるしかない。

 このように考えることができる人は、いつまでも引きずってネガティブ感情に足を引っ張られることなく、経験や結果を冷静に分析して、失敗を成功につなげるためのヒントを模索する。

育伸社模試8月度月例テスト中1国語    榎本博明『「上から目線」の構造』より

以上が引用文だ。

 54歳の自分が、中1の実力テストに出題された読解文に接して、「諭される」ような感覚を持つ。
年齢がそうさせる「反論」は無くはない。
しかし、筆者が著していることは、理屈が通っていているので、どこかに悔しさを感じつつその主張を認めざるをえない。
完敗…だ。

 人生は一度。

今まで通り、感情の赴くままに残された時を生きていくか?

心機一転、感情に流されず認知的な生き方へシフトするか?

秋の夜長に思索を深めることにしよう。




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