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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

先を読む力

森山's Honey Bucket 258

八戸ノ里駅前の楽器店でチェロが展示されていた。

ふと、高校時代の甘酸っぱい記憶が蘇った。


高校1年生。
憧れの高校に通うこととなった僕は、次の憧れである「恋」の相手探をしていた。

目の前に現れたのは、ソバカスが知的に輝く美人Nさん。
僕はたちまち恋に落ちることになる。


恋は盲目などという。
恋をすると周りのことが何も見えなくなる…ということだが、僕は違った。

深慮遠望と形容すべきか、はたまた単なる妄想野郎か?
僕なりに先を読み、行動することにした。


Nさんはピアノが上手だという噂だ。

将来二人の恋が成就して、めでたくゴールイン。

家庭を持ったなら、かわいい子どもができる。
始めに女の子、そして次は男の子。

子どもたちは音楽好きに育ち、小さな頃からピアノの練習をするようになる。
そしてやがて違った楽器にも興味を示すようになる。
まあ、楽器はなんだっていい…


クリスマスツリーを前に、
家族それぞれが担当の楽器を演奏するファミリーコンサートが始まる。
合奏は素敵だ…


となると、

僕も楽器が弾けなくてはならない。

低学年の頃、嫌々ピアノの稽古に行かされていたが、練習しない僕に先生は厳しく、それが怖くて辞めた経験がある。

だが、一家の主の僕が楽器が弾けませんでは、ファミリーコンサートが実現しないではないか。

いや、ただ弾けるだけではだめだ。
僕の奏でる音色が子どもたちと妻との心を満たせるようなものでなくてはならない。


僕の心は決まった。


Nさんに「好きです!」と告白する前に、しっかり準備を始めよう!

深慮遠望…まさに僕の行動のためにある言葉だと、自分に酔った。


足は自然と楽器店に向かった。

そしてバイオリンを見つけた。

「これだ!」

ファミリーコンサートの風景が浮かんだ。


両親に頼み込んでそのバイオリンを手に入れ、音楽教室にも通い始めた。


機は熟した、

と言うかバイオリンの腕はいっこうに上がらなかったが、Nさんを思う気持ちが飽和に達した。


告白する二日前には、『エリックの青春』という前評判の高い映画の前売りチケットを二枚購入した。

一緒に並んで映画を観よう。二人で感動に浸ろう…


準備万端、自分に出来ることはした。


体育祭と文化祭が3日連続開催される「記念祭」の初日に告白することを決めた。


賽は放たれる!



結果は…

大方の皆さんの予想通り。


先を見据え、遠大な計画で臨んだ僕の夢は…

肝心要の最初の第一歩で木っ端微塵の爆発を遂げた。

夢のかけらすら探せないほどの大爆発だった。


その後しばらく

空しく通ったバイオリン教室は、僕の心を映すかのように閉鎖となった。

ギーギー錆びたのこぎりのような音を部屋に響かせることもなくなった。



今そのバイオリンは…弦が2本(?)切れたまま押し入れの天袋にある。

僕は何の楽器も出来ないまま、やはり弦が2本ほど切れた感じ?の54歳になっている。


ちなみに『エリックの青春』は素晴らしい映画だった。

Nさんに代わって一緒に行く羽目になったラグビー部のK君。

いかつい彼が隣に座っているにも関わらず号泣してしまった・・・




遠くそして素敵な青春の思い出だ。



頑張れ中3生諸君!

高校はきっと楽しいぞ!

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