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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

過剰なサービス?

森山's Honey Bucket 302

 
 カルボキシメチルセルロースナトリウム

 先日小学校5・6年生がチャレンジした
 「発泡入浴剤」作りの材料となる薬品のひとつだ。


 舌を噛みそうなその薬品名を早口言葉のように唱えながら
 完成品片手にかれらは笑顔で教室を後にした。



 8種類の薬品を上皿天秤やメートルグラスで正しく計量し
 型枠に入れて一昼夜かけて固めた後
 お家のお風呂に投入し
 ご家族皆でポカポカ温まってもらおう…

 なかなか乙な実験だ。


 先に上げたやたらに長い名前の薬品は
 入浴剤を固める働きがある。

 他に温泉の主成分としてのくすり

 香りづけのためのくすり

 お湯をきれいな色にするくすり

 それぞれの薬を正しく計量し調合すれば
 炭酸ガスの細かな泡が身を包み
 香り豊かで身体を芯から温める
 オンリーワンの入浴剤が出来るのだ。


 お湯をエメラルドグリーンにする着色剤 “ウラニン” だけは
 子どもたちの希望を聞いて僕がさじ加減することにした。

 多くの子たちが
 お湯が濃く色づくよう希望した。

 家族何人もの方が入るお風呂なら
 最後に入る人もきれいな色が付いている方がいいだろう…


 「わかったわかった。じゃあたっぷりめ!」とばかり
 ウラニンを子どもたちが調合した薬品中に加えた。


 
 しかし、このちょっとしたサービス精神が“悪夢”となり
 翌朝ぼくを寝間から引きずり出すことになった。

 
 
 明け方の夢とは…

 子どもたちの家のお風呂

 綺麗な色であるはずの入浴剤のグリーンが濃すぎる

 濃い緑が浴槽にこびりつき取れない

 こすってもこすっても取れない…



 孫が作った入浴剤入りのお風呂に入ったおじいちゃんの身体が

 入浴剤に染まって緑色になっている…

 
 嘘のような、ほんとうのような

 そんな場面が僕の目をパッチリと開かせた。


 さじ加減を少し多めにしただけだ…

 そう考えようとしたが
 
 夢がリアルすぎて

 安易な思いは吹き飛んだ。



 子どもたちには

 入浴剤は一晩置いて固めてから使うように…

 と昨日指示した。

 まだ、だれも使っていないはずだ…



 そうだ!

 今すぐ教室に行き、薬を調合し

 自分の家の風呂で実験してみるよりほかない。


 家の風呂での実験結果が悪夢と同様なら、

 朝のうちに「使用中止のお願い」を各御家庭に連絡しなければならない。

 
 単車にまたがり全速力で教室に向かった。

 すべての薬品を定量はかり、最後にウラニンをどの子より多く薬品さじに取った。

 固める過程は踏まなかったが、一応完成。

 
 一目散に自宅へ戻った。 
 

 いよいよ、そのときが来た。

 沸かしてあった風呂に出来立ての入浴剤を入れ、手早くかき混ぜた。


どうなる?

 緊張はマックスである。




 濃い…確かに色が濃い。


 湯船に身体を沈める。

 湯船から溢れた緑の湯がタイルに鮮明な軌跡を描く。

 果たしてこの色は落ちるのか?


 身体はどうか?

 腕は?指先は?黄緑に染まってはいないか…


 白のタオルを浴槽に沈めてみた。

見る間に緑に染まったこのタオルのその後は?


 
 
 結果…


 身体は染色されなかった。

 ほっ…


 タイルの上の緑色もシャワーの水と共に排水口に吸い込まれた。

 ほっ…



 しばらく置いておいた浴槽内の緑水も、

 浴槽にその痕跡を留めることなく、綺麗に流れた。

 ほっ…


 白のタオルは2度すすいだら、もとの白に戻った。



 実験の結果、どうやら各家庭の風呂場をパニック劇場にする心配はなくなった。


 朝7:30 やっと、悪夢から開放された…



興奮しながらの入浴だったからか、

はたまた入浴剤がしっかり効果を発揮したからか


短時間で僕の身体はホカホカになった。




  初心忘るるべからず


  定められた分量の薬品を正しく計量することは基本中の基本。

  
  教訓を胸に、安全に実験指導することをここに誓います。

   
 

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