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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

人は見かけによらない。

●むこう向きのおっとせい その353

島で釣りをする時にいつもお世話になる釣具屋さんがある。



店は夫婦二人でやっておられて、奥さんの方は普通に愛想があるのだが、
店主の方は、とにかく無愛想で、めったに声は出さないし、
表情もあまり変えない。



行くたびにその愛想のなさがおかしくて、
みんなに面白い人がいると、よく話していた。



それが店に行くたびに話しかけていたら、
少しずつ話をしてくれる様になってきた。



そして先日店に寄って
「最近この辺りでルアーで釣れる魚はないですか?」と尋ねたら、
驚いたことに、今まで会話らしい会話をしたことがなかったのに、
店主が情熱的に話し始めるではないか。




「ルアーなんてあんなものは運じゃ。
釣りは魚を自分から集めて、それを釣るのが正道だ。」
と今までとは全く別人の如く、
表情が生き生きとして、目もらんらんと輝いて
時に口から泡を飛ばして、1時間近く、
自分の釣り理論を情熱的に語ってくれた。



これにはほんとに驚いた。



話している内に
「わしを普通の釣具屋のおっちゃんと思うとったらあかんぞ。
釣り雑誌に書いた記事は数えきれず、
載った本を集めると自分の背丈を超えるんやぞ。」と言って
店の奥から古い雑誌を何冊か持って来た。



見ると、今も発売されている有名な釣り雑誌に
確かに店主の名前で記事が掲載されていた。




チヌ釣が専門みたいで、店主の持って来た本の中には
「精鋭たちのチヌ」という全国の有名釣り師の書いた単行本にも、
その名前があった。



年を伺うと天皇陛下と同じと言われた。



「とにかく負けず嫌いで、釣るためにはとことん研究もしたし、
あちこちに釣りにも行った。そこまで突き詰めてやらんと、
モノにはならんのじゃ。もう年じゃから、今は昔のようにはいかん。
自分が釣りすぎて客から嫌われんように適当に相手しておる。」
と笑顔で話し終わった。




「人は見かけによらない。」というのを実感した時間だった。




帰り際に
「また遊びに来たらええ。」と言ってくれた顔が
とても優しかった。



結局ルアーについての情報は得ることができなかったけど、
素敵な時間をもらった。
でもなんであの時にあんなに話してくれたのかは謎だ(笑)。




ではまた。

s-精鋭たちのチヌ
s-関西の釣り

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