藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

匂い袋

森山's Honey Bucket 347


金木犀の花が香る頃となった。

人によって好き嫌いは分かれるようだが、僕はこの香りが好きだ。

教室の東隣のお家に大きな金木犀の木があるので、吹く風が爽やかになって来たこともあって、窓を全開にし、香りと風を楽しみながら授業をしている。



秋に漂うこの香りが、まだ金木犀という植物によるものだと知らなかったほどの昔。
好きだった女の子から金木犀の香りの匂い袋をもらった。
甘く豊かな香りのする小さな巾着袋の中をそっと覗くと、橙色の小さなかけらがたくさん入っていた。


好きだった子から、手作りの匂い袋をもらう…って、それは何?うまくいったってこと?
などと思ってくれたあなたに、正直に言う…



転校することが決まった僕が、意を決して書いた「告白」の手紙に、その子が返事の手紙をくれた。
その手紙に添えられていたのが金木犀の香りの小袋だった…ということ。



遠くへ行っても元気でね

yours ever



手紙には僕が期待していたような言葉はなかった。


だから…、金木犀の香りは、初恋が実らなかった切ない想い出を、この時期微かによみがえらせる。



あれから43年か…

まあ、想い出というのはたくさんあるほうが、きっと幸せなのだろう。









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