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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

ロマンチスト

森山's Honey Buket 368




これ何ていう花かご存知ですか?



ホテイアオイ(ホテイソウとも呼ばれます)です。
夏から初秋に美しい薄青色の花を咲かせる水草(浮き草)です。


このホテイアオイ、実はヒゲ先生がとても好んでおられた植物です。

僕と同年代かまたは先輩の方であれば、昭和45年頃の旧教室の入り口にホテイアオイが幾つも浮いていて、綺麗な花を咲かせていたのを覚えてられないでしょうか?


観賞用としてだけでなく、実験のとき、膨らんで浮き袋の役目をしている茎を縦に切って、中が編み編みの空洞になっているのをヒゲ先生に見せてもらった記憶があります。



30年~10年程前、「星くずの村」の天の川はホテイアオイの楽園でした。その黒い根っこはメダカやヤゴたちの格好の住処になっていました。


しかし、日本庭園が完成した当時(今から43年ほど前)は、「天の川」にはホテイアオイも他の水草もカエルもサワガニもメダカもそしてヤゴも…生き物たちの姿はありませんでした。


少し不思議ですよね?

種明かししますと…


「星くずの村」の中を流れる「天の川」は、自然の川ではありません。人口の川は人口の池が水源でした。

ヒゲ先生は、島が断水に見舞われた時の対策(実際半世紀前は断水は日常の出来事だったようです)で、コペルニクスという名の人工池(20~30㎡程の広さ)を築かれました。

断水時、飲み水以外の生活用水の確保を考えられてのとこでしょう。


しかし、稀代のロマンチストヒゲ先生が、生活用水の溜池造りで終わるはずがない!ですよね。


案の定(笑)、そこから流れ出る「川」、そしてその川の水を下流域で一旦大きな水槽に集め、それをポンプアップして「池の上へと導く水路」を作り、そしてなんと言うことでしょう…コペルニクスに流れ落ちる「滝」と水面から高く立ち昇る「噴水」までこしらえてしまったのです。


池も川も滝も噴水も、元は生活用水となる水の確保が主目的。その水が濁っていたり、プランクトンいっぱい!っという訳にはいきません。

合宿の無い時期は水を抜いておき、いざ合宿で水を張り滝を落とす前には、棒ずり(デッキブラシ)で池底や川底を丁寧に磨くんです。僕ら職員も何度かやりましたが、それは重労働でした(笑)


だから、子どもたちがワイワイとやって来るタイミングには、澄み渡る水が池に満たされて、そこから流れ出る「天の川」も文字通り清流でした。



当時毎年、合宿を終えたお盆の頃に、「蒐英舎総会」という学園の同窓会が、島で行われていました。毎年ほんとうにたくさんの同窓生が集まられ、賑やかな会でした。

総会の最後の夜は、参集した老いも若きも同窓生たちが共にすき焼きパーティーをし、「蒐英バンド」の演奏に酔い、やがてドンチャン騒ぎとなります。

バンドの生演奏に合わせて歌い踊りときには絶叫し、そして1人また1人と人工池のコペルニクスに飛び込んでいきます(笑)。今どきプールでそんな飛び込みをしたら必ず係員に大目玉を喰らうような遠慮無い激しいダイブです!

池で気持ち良さげに泳いでいる人。池の水をバンドメンバーに容赦なく浴びせている人。

中には天の川を下流から上流へ、匍匐前進している猛者もいました。

想い出しても楽しい時間でした。
よく怪我人が出なかったものです(笑)。



そんな清き「コペルニクス」や「天の川」ですが、残った水にカエルが卵を産み落とすようになってからでしょうか?それとも島に大きなダムが出来て断水の心配がなくなったからでしょうか?ヒゲ先生は生き物たちの生活の場に提供されるようになりました。

ほぼ毎週末、島を訪れておられたヒゲ先生は、人工の池と川の水を枯らすことの無いよう気を遣われるようになりました。

そしてやがて、立春過ぎの「カエルの産卵」は「星くずの村」の風物誌となりました。

春合宿では無数のオタマジャクシが「天の川」を
泳ぎまわり、夏にはカエルが大合唱を聴かせてくれました。
メダカだって、ヤゴだって、カニだって…そしてホテイアオイだって…皆、人工の川とは知らず、幸せに暮らしていた気がします。



このお休みに夫婦で、大和三山を巡るハイキングをしました。ふと立ち寄った「本薬師寺跡」にそれはみごとなホテイアオイの広い群生がありました。

その美しさと共に、地元の方々の取り組みを思い、とても感動しました。


そして、ヒゲ先生のことを思い出しました。



長文にお付き合いくださり、どうもありがとうございました。







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