藤原学園の『年中夢求』日記
〜今日も顔晴るみんなへ〜
台風は要らない
●むこう向きのおっとせい その660
6・7・8日と2泊3日の実験学校の予定だった。
しかしながら村に着いて間もなく
台風6号のせいで、
フェリーが8日に出なくなる可能性があるとの連絡が入った。
8日にフェリーが出るかどうかは
7日のフェリー会社の朝の会議で決まるというので、
7日に帰ることも考えて、時間割を変更。
実験は全て先にやってしまうことにした。
今回の実験のテーマは「水スペシャル」
「マーブリング」「水をつかむ」「燃料電池」「水の合成実験」
に子どもたちは取り組んだ。
6日の夕方までは晴れていたが、
夜になって雨が降り始めた。
「天体観測」と「海ほたる」の観察が出来なくなったので、
恒星、惑星、衛星の違いを話した後、
星座ビンゴをやることにした。
子どもたちは大盛り上がりだった。
7日は「海辺の生物観察」の後、プールに行く予定だった。
子どもたちはてるてる坊主を作って
晴れることを祈った。
しかしながら朝は雨が降ったりやんだりで
「海辺の生物観察」は出来なかったので、
8日に回すことにした。
「燃料電池」の実験の時、
いつもやんちゃで、元気いっぱいの小学2年のA君が
「フェリーが出なくなったらどうするの?」と聞いたから、
8日帰れなかったら、台風が行き過ぎるまで、
ずっと島にいることになるから
しばらく帰れないと冗談交じりに答えた。
そうしたら実験中にふと見ると、A君が泣いている。
どうした?と周りが声をかけても泣き止まない。
しばらくしたら泣き止んで
いつものA君に戻っていた。
実験が終わった頃にフェリーの会社から連絡があり
出航1時間くらい前にならないと
船が出るかどうかは分からないと、
なんとも言えない回答だった。
ジャンボフェリーが、ちょっと前に着岸ミスで
係留ロープをつなぐブロックと橋を壊してしまった。
それで船を着岸させるのに漁船で
ロープを引っ張る人を運ばないといけなくなった。
その漁船が台風の影響で出ない可能性があるので、
ジャンボフェリーは出航できても、
坂手港には着岸できないということらしい。
何ともやり切れない人為的なミスだ。
子どもたちの気持ちを考えると船が出る方にかけたいが、
もし出なかったらもう1日島に滞在することになる。
これはいろんな面で難しい。
それで断腸の思いで7日に帰ることに決めた。
そのことを子どもたちに伝えたが、
子どもたちはがっくり肩を落としていた。
でも閉校式の時に、「楽しかったですか?」と聞いたら
大きな声で、「楽しかった!」と言ってくれたので
少し救われた気がした。
船を降りる時、あのA君が横にいた。
それで「実験の時に泣いていたのは、
もしかして、お母さんにしばらく会えないと思ったからか?」
と聞いてみたら、はにかんだ顔で「うん。」と答えた。
あまりに可愛かったので、思わず抱きしめてしまった。
1泊2日になってしまったけれど、
子どもたちはそれなりに
いい時間を過ごしてくれたのではないだろうか。
にしても、もう台風は要らない。
ではまた。
6・7・8日と2泊3日の実験学校の予定だった。
しかしながら村に着いて間もなく
台風6号のせいで、
フェリーが8日に出なくなる可能性があるとの連絡が入った。
8日にフェリーが出るかどうかは
7日のフェリー会社の朝の会議で決まるというので、
7日に帰ることも考えて、時間割を変更。
実験は全て先にやってしまうことにした。
今回の実験のテーマは「水スペシャル」
「マーブリング」「水をつかむ」「燃料電池」「水の合成実験」
に子どもたちは取り組んだ。
6日の夕方までは晴れていたが、
夜になって雨が降り始めた。
「天体観測」と「海ほたる」の観察が出来なくなったので、
恒星、惑星、衛星の違いを話した後、
星座ビンゴをやることにした。
子どもたちは大盛り上がりだった。
7日は「海辺の生物観察」の後、プールに行く予定だった。
子どもたちはてるてる坊主を作って
晴れることを祈った。
しかしながら朝は雨が降ったりやんだりで
「海辺の生物観察」は出来なかったので、
8日に回すことにした。
「燃料電池」の実験の時、
いつもやんちゃで、元気いっぱいの小学2年のA君が
「フェリーが出なくなったらどうするの?」と聞いたから、
8日帰れなかったら、台風が行き過ぎるまで、
ずっと島にいることになるから
しばらく帰れないと冗談交じりに答えた。
そうしたら実験中にふと見ると、A君が泣いている。
どうした?と周りが声をかけても泣き止まない。
しばらくしたら泣き止んで
いつものA君に戻っていた。
実験が終わった頃にフェリーの会社から連絡があり
出航1時間くらい前にならないと
船が出るかどうかは分からないと、
なんとも言えない回答だった。
ジャンボフェリーが、ちょっと前に着岸ミスで
係留ロープをつなぐブロックと橋を壊してしまった。
それで船を着岸させるのに漁船で
ロープを引っ張る人を運ばないといけなくなった。
その漁船が台風の影響で出ない可能性があるので、
ジャンボフェリーは出航できても、
坂手港には着岸できないということらしい。
何ともやり切れない人為的なミスだ。
子どもたちの気持ちを考えると船が出る方にかけたいが、
もし出なかったらもう1日島に滞在することになる。
これはいろんな面で難しい。
それで断腸の思いで7日に帰ることに決めた。
そのことを子どもたちに伝えたが、
子どもたちはがっくり肩を落としていた。
でも閉校式の時に、「楽しかったですか?」と聞いたら
大きな声で、「楽しかった!」と言ってくれたので
少し救われた気がした。
船を降りる時、あのA君が横にいた。
それで「実験の時に泣いていたのは、
もしかして、お母さんにしばらく会えないと思ったからか?」
と聞いてみたら、はにかんだ顔で「うん。」と答えた。
あまりに可愛かったので、思わず抱きしめてしまった。
1泊2日になってしまったけれど、
子どもたちはそれなりに
いい時間を過ごしてくれたのではないだろうか。
にしても、もう台風は要らない。
ではまた。