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藤原学園の『年中夢求』日記

〜今日も顔晴るみんなへ〜

ビフォー・アフター

森山’s Honey Bucket 153


 母の住む家は、築80数年を数える古い家だ。

でも父と母は、初めからこの古屋にいたわけではない。

桜並木が美しい八尾の玉串川のほど近くに、小さくはあったが、新築で購入した家を持っていた。
 

 にもかかわらず、一人息子の僕が、結婚し初めての子どもを授かるとわかった時期と、

僕の家と地続きの古家の一軒が売りに出された時期とが、偶然にも一致したそのタイミングに、
 
父は母の反対を押し切って、築浅いマイホームを手放し、

建って60年程経過しているボロ屋(今の住まい)に引っ越すことを決めた。


 

 今振り返れば、父母がそばに来てくれたことにより、

我ら夫婦や孫たちが受けることになった恩恵は山よりも大きく、

よくぞ引っ越してきて一緒にいてくれた・・・と感謝にたえないのだけれど、

その当時は、父が随分損な買い物をした・・・と、僕は思いこんでいた。


 先の住人がほとんど住まいの改良に気を配ってこなかったらしく、

はっきり言って、越してくるときにはそれはすでに正真正銘の「ボロ屋」だった。

だから、引っ越して来るのに際し、その家は専門家によるそれなりの修繕を施す必要があった。



 父自身、たいへん器用な人だったので、本棚や衣装棚や倉庫をこしらえたり、

ときには屋根に上がって瓦を並べ替えたりもして、古い家をより使い勝手の良いものにコツコツ改良していた。


 しかし、そんなマメな父が亡くなると、大きな悲鳴を上げながら、家が急に痛んだ。

雨漏りが尋常ではなく、雨粒を受けるバケツを所狭しと置かねばならなくなったので、

ついに今年の梅雨時期に職人さんに入ってもらい、屋根と天井は全面修理した。  
 

 人も動物も植物も、愛情豊かに育てられるのと、そうでないのとでは、ずいぶん違いがある。

家も同じなのだ・・・きっと。  
 

 古い家でも大切にしよう・・・という生前の父を真似る思いと、 

 仕事に出かけるまでは、出来るだけ母のところで時間を過ごそう・・・との思いとが重なり、

今は連日、母の家の改修に励んでいる。 

 「劇的!ビフォーアフター」には程遠い、亀の歩みのような変化だけれど、

一歩ずつ、確実に家は変身を遂げている。

少しずつ綺麗になっていく家を実感できることは、素敵だ。

そしてなにより、母が喜んでくれるのが嬉しい。


改装


 

 
 

 
   

 


 




 


 

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